「 真 田 庵 」



 善名称院(ぜんみょうしょういん)、別名「真田庵」とも呼ばれ、真田幸村父子の屋敷跡に建てられたお寺です。本尊に延命子安地蔵菩薩を祀り、かつてはお地蔵さんとして賑わいをみせたこともあったそうです。春にはボタンが咲き乱れ、真田まつりでは武者行列のゴール地点として、賑わいをみせています。高野山に蟄居(ちっきょ)を命じられ、信州より、紀州へとやってきました。高野山での生活は寒く大変だったため、麓の九度山町で生活したのではないかと言われています。父・真田昌幸は、この九度山町にて亡くなり、息子である幸村は、父の供養のために、森の中に宝篋印塔を建てました。その後、大安上人がこの森に来たとき、本尊がここに善名称院(真田庵)を建てよと言われ、大安上人は松の木だけを残してお寺を建てました。

 なお、真田庵では真田幸村の死ををいたみ、毎年5月5日の子供の日に、武者行列をはじめ「真田祭大法会」が行われています。ちなみに、以前「鳴神亭」の鳴神忠嗣店主が、真田十勇士の一人「由利鎌之介」に扮して行列に参加しています。

 ところで、幸村は焼酎好きだったようです。これは、幸村が九度山に流されている時の話です。九度山の麓にいる家臣・河原左京に宛てた書状の中で次のように語っています。この壺に焼酎をおつめ下さるようにお願いいたします。今、お手持ちがなければ、この次でもよろしいですから、お頼み申します。むずかしいと思いますが、壺の口をよくしめて、その上壺の口を紙で目張りをして下さるようお願いいたします。御都合次第で取りに伺います。(中略)どうか、壺二個の焼酎のこと、よろしくお願いします。この外にも余分にあったら、いただきたいと思います。

        六月廿三日 左京殿 真好白信繁(花押)



お問い合わせ

〒648-0101 和歌山県伊都郡九度山町九度山1413
TEL 0736ー54ー2218

九度山駅より徒歩10分
*駐車場はございません。

inserted by FC2 system